浄土真宗で最も大切な行事
    2025年報恩講法要を11月2日(日)に午前席・午後席と勤めました。 講師は山口教区教念寺熊谷誓樹師でした。当日は曇り、朝のうちは少し肌寒い天候でした。「よろづのこと、みなもつてそらごとたはごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまことにておはします」とは歎異抄の一節です。現在は念ずべきものを持たない生活であり、損か得か、苦か楽か、毀か誉か、褒か貶か、という世俗の欲に惑わされた生活をしています。「念仏のみぞまこと」とは『空言・戯言』とは違う仏様の教えを拠り所に生きることを示しています。念仏とは仏様が私を念じてくださることで、永遠に壊れない宝物です。宿願として仏さまの方から私に働きかけて下さっている。その喚声に目覚めることがまことの人生を生きることです。私の眼は前を向いていますから、他人のことはよく見えますが自分のことは見えません。自分に眼を向けさせてくださるのが教えです。
 正信偈に「不断煩悩得涅槃」とあります。阿弥陀さまの救いを喜ぶ人は、自ら煩悩を断ち切らないまま浄土でさとりを得るということです。「煩悩を亡くさないと涅槃は得られない」というと解りやすいですが、「わかっちゃいるけどやめられない」解るけれども実践できないというのが私たちです。『煩悩具足』煩悩が全部私にそろっている。煩悩だらけというのがこの私です。煩悩を持ったまま仏になる。ただ念仏こそがまことであることを教えて下さったのが親鸞聖人です。
と話されました。

 2024年報恩講法要を11月4日(月)に午前席・午後席と勤めました。 講師は備後教区備中里組田井智彦師でした。
当日は天候もよく穏やかな一日でした。阿弥陀仏の教えは、おごりたかぶる自力のものが信じることは実に難しい。さとりの世界は悟った人にしかわからない。難の中の難でありこれ以上に難しいことはない。信じることが難しいのは、自分の「煩悩」が妨げとなっているからです。自力で「煩悩」を捨てて滅度の世界に渡ることは大変難しい。浄土真宗は他力の教えです。「あなたが自力で悟りの世界にこれないのであれば、私の方からあなたに届けましょう。」と阿弥陀様の方から「私にまかせてくれよ」と働いて下さいます。私が「お願いします」と願わなくとも既に阿弥陀様の手の中にあるのです。と話されました。
「後悔・怒り・苦しみが繰り返し繰り返し心の中にこみ上げてきます。このままの私で大丈夫と安心しまして感謝致します。」「煩悩についてよくわかりました。自分の行動を振り返ったとき納得できました。」などの感想をいただきました。
 
 2023年報恩講法要を11月5日(日)に勤めました。講師は備後教区御調東組法光寺季平博昭師でした。
今年の報恩講は通年に戻して、午前席・午後席と勤めました。当日は天候もよく暖かい日で、例年ならストーブが必要な時期ですが、むしろ暑いような天候でした。
 「もしあなたが浄土に生まれることができなければ、私も仏にならない。(不取正覚)」と誓いを立てて成就されたのが阿弥陀如来です。その阿弥陀さまの心を言い換えると「あなたの幸せが私の幸せ・あなたの悲しみが私の悲しみ」といえます。「暖かなぬくもりに包まれることでやさしい心を持った大人に成長する」ということを絵本や身近な例話をあげて話されました。
 今回の法座では質問用紙を配り、午前席が終わったところで回収し、ご講師に見ていただき、午後席の中で質問に答えていただきました。法名は本願寺の帰敬式を受けないともらえないのか?東西本願寺の歴史的なことや教えの違いは何か?という質問がありました。
また「思いやりの心、相手の気持ちになって考え行動すること、大変難しいと思いますが、行動できたらいいなと思いました。」「浄土真宗は太陽があたり前に出ることの様に、如来様も私たちをいつも見守っていて下さること。お願いはしなくてもいつも見守っていて下さることが良くわかりました。」などの感想をいただきました。
 
 2022年報恩講法要を11月6日(日)に勤めました。
講師は備後教区沼隈南組善正寺那須英信師でした。四恩について話され、お経によると父母の恩・衆生の恩・国土の恩・仏恩の四つの恩がある。@私に命を与えてくれた親、先祖の恩。A私の命を育んでくれた社会人々の恩。B国土環境の恩。Cすべての源である仏の恩である。親鸞聖人は教行信証の行巻末に『』大聖(釈尊)の真言に帰し、大祖(七高僧)七高僧の解釈に閲して、仏恩の深遠なるを信知して、』と言われています。
今私がここに生かされているということは四恩のお陰であり、ことに仏恩(阿弥陀)さまの働きの中にあるということです。
 ご自坊のご門徒の突然の死を例にあげ、今この瞬間生きていることが有難い。今ある命が尊いと思うことがご恩である。と話されました。

 
   
 
 
  
    
 
 
 報恩講(ほうおんこう)
 報恩講は浄土真宗寺院及び門信徒において最も大切な法要行事とされています。それは開祖・親鸞聖人のご命日を中心にして、聖人のお徳をしのび、そのご苦労を通じて、ご恩に報いる法要だからです。なお荘厳も最も重い形式となります。
 親鸞聖人は90歳で、弘長2年11月28日で往生の素懐(そかい)を遂げられました。弘長2(1262年)11月28日(旧暦)は、現在の暦では1263年1月16日ですので、本山の西本願寺では、毎年1月9日から16日まで御正忌報恩講をお勤めしています。
 正福寺ではそれに先だって毎年11月上旬の日曜日に勤めています。